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会社概要
社 名 有限会社ジオスコープ
代表者 難波  毅
所在地 274-0825 千葉県船橋市前原西6-6-24
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F A X 047-477-3372
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アウトバックへかける思い
 国土の7割は「アウトバック」と呼ばれる乾燥しきった人の住まない荒野、沙漠であり人口密度は1平方キロあたり1人にも満たない超過疎地域である――。新聞で読んだ一文にわけもなく惹かれた。アウトバックとはいったいどんなところなのか、オーストラリアとはどんな国なのか、この目で見たくなった。1986年のことである。
 行く前からエアーズロックの存在だけは知っていた。しかし、オーストラリアに行き、一直線の道を運転しながら地平線の彼方に初めて実際にこの大岩を見たときの期待感、さらに麓から見上げたときの衝撃にも似た感動はいまだに忘れることはできない。360度何も遮るものがない、真っ平らな赤い大地から突然地上350メートルに突き出ているエアーズロックの大きさは、日本という小さな島国の言葉では表現できないと感じた。その後何回も訪れ、そのたびに違った表情を見せてくれたが完璧に取材できた自信はない。それほど奥が深い。
 最初のオーストラリア取材で、想像を絶する「時間的」「空間的」スケールを持ち、かつその中に繊細な美しさを秘めている地形美に圧倒され、魅惑された。地球上で最も古い大陸塊であるオーストラリアには風化侵食されつくした異様な地形や岩の造形が大陸中に散らばっているということがわかった。その後は南海岸沿い、キンバリー地方、タスマニアなど、目的地を絞り込んで重点的に長期取材を重ねてきた。また、一カ所に何回も足を運んだことも多々ある。
 撮影の足は必ずトヨタ ランドクルーザー。ほとんどがキャンプ生活である。特に気に入っているのが、スワッグというキャンバス地でできた封筒状の「寝袋」にくるまって大地の上にそのまま寝ることである。夜空が真っ白になるほどの満天の星を見ながら眠りに落ちていく……。まさに乾燥したアウトバックならではの体験だ。
 取材を始めて7年後の1993年に初の写真集「奇岩大陸AUSTRALIA」(講談社)を出版できた。その後はアメリカの大自然の取材も開始する。オーストラリアといえば、一時アウトバックから離れグレートバリアリーフの取材に専念した時期もあるが取材自体は毎年のように継続した。
 2005年にガルフ地方のロストシティという奇岩地帯に入れる、ということで再び本格的にアウトバック取材を再開する。
 撮影機材にもこのころ変化が訪れる。デジタル化の波が押し寄せてきていた。各種撮影業務でフイルムからデジタルへの変更要請が相次いだ。衝撃的だったのは、最後まで生産を続けるとしていたコダクロームというフイルムの生産中止であった。いままで自然風景の撮影はすべてコダクロームで行ってきたが、その手段が2009年に途絶えた。エクタクロームは残ったが、表現できる色がコダクロームとはまったく異なった。
 このころ、デジタルならではの撮影方法も知った。三脚の上で水平に回転させ少しづつ画角をずらしたショットを撮影し、それをPCで一枚の画像に合成するパノラマ撮影である。超広角のワイド写真で上下をカットすればいわゆるパノラマ風にはなるが、デジタル合成パノラマ写真は撮影時のレンズを選べることもあり、左右端が歪んだワイド写真とは基本的に異なる。専用のパノラマ撮影機材もあったが高価なため自作して、「Panoramic Australia」と題してこの方法で撮影に入れ込んだ。
 2010年10月には写真展「Panoramic Australia」を日本コダックの主催で東京・秋葉原のコダック・フォトサロンで開催することができた。このホームページの「ギャラリー」で公開している写真は多くがその時のものである。
 その写真展に使った素晴らしい印画紙もコダック・フォトサロンもまた今はない。
 しかし「水」「光」、そして人間の歴史など足元にもおよばない「時間」が作り上げたオーストラリア アウトバックの自然の芸術品はこれからも存在し続ける。気力、体力の続く限り「アウトバック詣」を続けていこう。

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